「カベ」と「ハコ」で創る地域との関係性
本物件は土地探しからお手伝いさせていただきました。 計画するにあたり第一に考えたことは周辺環境との関係です。 周りを見渡せば田畑やビニールハウス、住宅が混在しておりどうすれば周辺環境を壊すことなく、かつ歯科クリニックとしての存在を発信できるか。 その一つの答えとして「カベ」と「ハコ」で構成されたシンプルな形態を採用しました。
「周辺環境」という風景に建つ「診療所」を「カベ」と「ハコ」に見立て主張しすぎず周辺環境に埋もれずという一見相反する二つの要素を一つの建物の中に表現しようと試みました。 看板の要素も兼ね備えたシンボリックな前面の「カベ」とその後ろに控えるシンプルな「ハコ」の組み合わせは過度に主張することなく、しかし確実にその存在感を周りに発信します。 お施主様の意向でもあったシンプルでモダンなイメージ、内外部を通して統一したコンセプトを踏まえた空間づくりによって地域との関係が緩やかに結ばれていってほしいと思います。