2025.05.08(Thu)
名古屋市西区 医療法人桜井医院 庄内緑地救急クリニック
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このたび、名古屋市西区・庄内緑地公園の近くに位置する「医療法人桜井医院 庄内緑地救急クリニック」の建替増築および改修工事の設計監理を担当し、無事竣工を迎えました。
大正時代より地域医療を支え続けてこられた桜井医院様の新たな挑戦となる本計画では、先生ご夫妻とともに検討を重ね、現代に求められる医療施設のあり方を形にいたしました。24時間365日、絶え間なく地域を照らし、希望と安心を届ける——そんな灯台のような建築を目指して、私たちは現代医療の未来を導く想いを込めています。
先日開催された内覧会では、多くの方にご来場いただき、地域からの信頼と期待の高さを改めて実感いたしました。







本プロジェクトでは、従来のかかりつけ診療所としての役割に加え、救急外来および入院機能を備えた中規模クリニックとして、コロナ禍以降に高まった地域医療への要請に応えるべく、病院並みの医療体制と機能性を備えることを目指し、以下のような設計的工夫を随所に取り入れています。
◎診療動線の効率化とトリアージ設計
救急対応において重症患者を優先的に受け入れられるよう、明確な動線計画とトリアージ空間を整備しました。
◎高度な感染症対策
陰圧設備の導入に加え、空間的なゾーニングにより、感染症患者と一般患者の接触を極力避ける設計を徹底。医療現場における安全性と実用性を追求しています。
◎心理的負担を軽減する空間配慮
自然光の取り入れや音環境への配慮を行い、患者様や医療従事者にとって安心できる診療環境づくりを行いました。




全19床の入院病床はすべて個室とし、救急外来からのスムーズな入院にも対応できる体制を整備しています。内装は、ホテルライクな落ち着きと快適さを意識したデザインとし、プライバシーに十分配慮しながら、長期療養にも適した穏やかな空間を実現しています。
また、伝統的な和の趣と現代的な快適性を融合させることで、旅館にいるかのような安らぎを感じられる空間構成としています。救急で来院される患者様が感じる不安に寄り添い、やさしく迎え入れることのできるホスピタリティ空間を追求しました。






本施設は、2025年5月1日より「庄内緑地救急クリニック」としてリニューアルオープンし、すでに診療を開始されています。
地域に根ざし、世代を超えて信頼される医療拠点として、これからも長く愛されることを心より願っております。

